一ノ瀬さんの言葉の後に
訪れたのは沈黙で。

私たちの間に、
ただ空気だけが流れた。


「…行こ」


暫くの沈黙の後、

私は宮崎くんに連れ出されるように
喫茶店から出て。


冷たい風が私たちを襲う。

もう、ほとんど
木々にはカエデの葉なんてないのに。

どこからともなく
1枚の葉が私の足元に落ちた。