「…まあクズ野郎…かなぁ」
「…………君ってまじで最低だね」
「え!? み、三鷹くんだって馬鹿つったじゃん!」
「馬鹿とクズ野郎はかなり差があると思うけど」
「細かいよ!!」
三鷹くんはいつものように涼しげに笑う。
……まあ割と、その楽しそうな笑顔は好きだけどさ。
「…あ、着いた」
そこで、やっと私の家が見えてきた。
なんか長かったわ……帰り道が。
「…あ、お茶でも出すよ? 寄ってく?」
「ぜひ」
え、まじで?
思いの外乗り気だった三鷹くんに私は拍子抜けする。
三鷹くんの事だから、私の家なんか寄りたくもないのかと…。
…私って、ほんとに三鷹くんに対する見方がひど過ぎるな。
まあ「ぜひ」って言うくらいだもん、これでなんとか今日のお礼が出来ればいいな。