…なんか、落ち込むなぁ。



朝から三鷹くんに貶されるわ、ジャージ忘れるわ、最悪なタイミングで水を被るわ…。



大半は私が悪いけどね。




と、




――ガララッ




保健室の扉が開かれ、私は「先生かな?」とそちらへ顔を向ける。




「…さすがに惨め過ぎて貶す気も失せるよ」


「み、三鷹くん!?」




なんで三鷹くんが?


三鷹くんは大きく溜息をつきながらズカズカと私のもとへと歩いて来た。




「はい制服。事情は全部澤村さんから聞いたよ」




差し出された制服を受け取って、私は三鷹くんを見上げる。



…え。




「…ありがとう…」


「なんで俺が来たの? って顔してるね」


「…なんで?」


「澤村さんはバイト。保健室の先生はなんか急用で呼ばれてたからその代わり」




あぁ…なるほど。


……友也はこのこと知ってるのかな?




「って、そんなことはどうでもいいから早く制服来てよ」


「…あ、いやあの…私今この中下着だから…」




私は少し戸惑いながら苦笑いをする。


なんせ全部濡れたからなぁ…。



と、私を見下ろす三鷹くんの目が見開かれた。




「…え、」


「だから一旦部屋を出てもらえるとありがたい…な」




すると、三鷹くんはガッと私の羽織るタオルケットを掴んできた。



!?




「田中さんってブラ着けるほどの胸あったっけ?」


「死ね」




なんだこいつ殺したい。



三鷹くんは「冗談だよ馬鹿だね」なんて笑いながら保健室から出て行った。



…結局貶されてるし。