田中さんなんて、顔も性格も可愛くなくて

ひねくれてて

馬鹿で

クズなところもあって


中学の時に付き合ってた藤本さんとは明らかに真逆な子で。




でも、







〝…うんっ、好き〟







そう言って恥ずかしそうに微笑んだその表情が


たまらなく愛しいと感じてしまった。



もう一度見たいと思った。

そして今度は俺に向けて欲しいとさえ。



…そんな自分が気持ち悪い。





「美乃、10%って何?」



「あ、いやなんでもない…。ていうか菜々お弁当食べずに待っててくれたのっ?」



「…まあ」



「ごめん、ほんとにありがとう!」





きっと田中さんは俺のことなんて全く眼中にないんだと思う。

佐々木のことが好きだったわけだし。




俺は好きな人と両想いになってから付き合いたい。



そして、もう失敗しないように。