「…三鷹くんが田中さん守るんなら意味ないじゃないっ…」
きゅっと下唇を噛み締め、西垣さんは呟くように言った。
…三鷹くんに告白はしなかったけど、やっぱり西垣さんは三鷹くんのこと好きなんだろうか。
だとしたら、なんで西垣さんは一番媚売る必要がある三鷹くんに本性をバラしたの?
私が気になるのはまさにそこだった。
「に、西垣さん…」
「何よっ、ドブ女!」
恐る恐る西垣さんに話しかけたらそんな罵倒が返ってきた始末。
ど、ドブ女て…。
可愛い西垣さんに言われたら相当傷つくんですが…。
まあいつも三鷹くんに貶されてるからこのくらい大したことでもないんだけど。
チラリと三鷹くんの方に目を向けると、彼は私から顔を逸らして口元に手を当てていた。
…わ、笑ってやがるあのクズ王子…!
「い、いや…なんで三鷹くんに本性バラしたのかなって…」
ヘタレな私はなんとか声を振り絞った。
私の言葉を聞いた西垣さんは眉間にシワを寄せて三鷹くんを一瞥する。