優くんの温かい手が私の背中を回った。


そして、

「……山中さんの苦しむ顔は見たくない」


抱きしめられてると理解した次は、優くんの優しさに涙が次々に出てくる。


「あ……の、優くん…?」

「好きなんだ。付き合ってほしい」


優くんの目が私を一直線に見ていた。


「えっと……」

なんて言ったらいいのか、言葉なんて出なかった。


「今、山中さんがこんな状態なことわかってる。だからこそ、守りたいって思った」


でもその時、思い浮かんだのは西垣くんで……。


西垣くんは、私が誰かと付き合ったと知ったら驚いて焦ってくれるのかな?


それとも、あっそ。ってどうでもいいって素っ気なくされちゃうのかな?


西垣くんなら、素っ気なくするに決まってる。

だって、私達の関係は