「走れ」

「わっ。ちょっ……と待って! 速いよ」

「チッ。面倒くせーな」



「わっ」


「「「きゃーっ!!!」」」


「なによあれ!」

「私もされたい!」


私だって意味がわからなかった。

耳元でイラ立っていた西垣くんが、一瞬止まって私を……




お姫様抱っこしてるんだから!!

「ちょっと、降ろして!」


「うっせ。お前走ったらおせーじゃん」

「ていうか、カードなに引いたの?」


西垣くんが走ってる中、私は西垣くんに話しかける。


それでも余裕そうに走っている。

「好きな人」

西垣くんはフッと笑って言った。


え。

好きな人!?


まさか、ほんとに好きな人なの!?


わぁあ。

絶対私顔真っ赤だ。