「やま、かさ……山中さん……っ!!」
「……へ?」
やっば!
私西垣くんの方見つめすぎだし。
気がつくと、優くんが何度も名前を呼んでいた。
「もう終わりだよ」
ぼーっとしてるうちに授業をしていたのかも忘れていた私。
「あ、ごめんね。気づかなくて」
「大丈夫だよ。ほら、北月さんが待ってると思うから行ってあげて?」
遠くから私達を見ている奈々がむすっとして立っていた。
あーも。
なんでこんなに優しいのだろ……。
「ありがとう、優くん」
私は急いで奈々のところへ駆けつけた。
気づかなかった。
優しさも、周りの目も。
そして、これから起きることも……。