「絶対私のカンニングしてる……」

拗ねるようにボソッと呟いた声に西垣くんは



「フッ……。お前なんかの8点の点数を誰がカンニングすんだよ。お前アホすぎにも程あるだろ」

鼻で笑うな。

でも、笑った顔にドキドキして直視できない。


なんで、西垣くんが素でいるかって?


それは今日もあの野原に来ているから。

まぁ、許可なしに毎日勝手に私が来てるだけなんだけど。


私だけにほんとの西垣くんを見せてくれてるのが嬉しくて仕方ない。

西垣くんがそんなつもりじゃなくても、凄く嬉しいんだ。


「アホで悪かったね」

「なに? 拗ねてんの?」

「別に」

とか言いつつも拗ねてます。


だって、アホとかひどい。

確かにアホかもだけど……


「そんな拗ねんなよ。……なんなら、勉強教えてやろうか?」


え?


あの西垣くんが、勉強を!?

「ほんと!? 教えて!」


少しの優しさにさっきから胸の鼓動が止まらない。