「おい、山中。うるさいぞ? 転入してきたばかりで、浮ついた気持ちのままじゃいかんぞ? 授業に集中しろ」


え、待ってよ!

なんで私だけ?


西垣くんの方を睨むようにチラリと見ると、顔を伏せたまま、私の方を見ていた。


すると、口パクで

“ばーか”

そう言って笑っていた。



なんでだろ。

最近の私はおかしい。

だって、彼の笑顔を見るだけで、胸がドキドキするから……。


それにしても、れん…かぁ。


いい名前だなぁ。