──カシャ


え?

カシャ?


「…………」


どういうこと?

恥ずかしながら、キスもこないと思い、私はゆっくりと目を開けた。


すると、

「……ククッ」

目の前には、携帯を持ちながら笑いをこらえてる西垣くんがいた。


「ちょ、なに笑って……」

「キスされるとでも思った?」


なかなか笑いが止まらない西垣くん。


「なっ!? べ、別にそんなこと思ってないし」

「ふーん。じゃあ、する?」


え、なにそれ。

“する?”ってなによ。“する?”って!!


「するわけないでしょ!」

「あっそ」


「もう、学校のみんなにアンタのこと言ってやるんだから」

「へー、それは楽しみだな。言いたければ言えば?」


余裕そうな顔しちゃってさ。

さっきまで言うなって言ってたくせに。
 

「ほ、ほんとに言うんだからね!?」