「あ。蓮菜」
蓮が突然、なにかを思い出したかのように私を呼んだ。
「どしたの?」
「今からしたいことあるんだけど、いい?」
「え? えっと、うん」
なにかわからないまま、返事してしまったけれど大丈夫だよね。
そして、蓮に「教室に行こう」と言われた。
教室に2人で入ると、みんなが一斉にこっちを見た。
そして、蓮が
「こいつ、俺の彼女だから。傷つけんなよ」
とだけ、みんなに伝えた。
なにも知らなかった私は、呆然と立っていた。
それを聞いて、落ち込んでいる人もいれば、私たちのことを応援してくれる人もいた。
蓮の方を見て、“ありがとう”という意味を込めて、ニコっと笑った。