シュルシュルとリボンを解いた。


蓮がじーっと見ている。

箱を開けると、


「ウマそ」

なんて言ってるけど、絶対にあげない。

でも、ほんとは嬉しい。


私は、1つチョコを手にとった。


それでもまだ、蓮はなにも言わないままじーっと見ている。


「……あの、さ。見すぎだよ」


さすがに食べづらい。


「俺にそのチョコちょうだい?」


「やだ。蓮はチョコ好きだから、色んな人からもらえてよかったね。これは私の分なの」


蓮に食べてもらいたかったけれど、私だけがいいなんて、欲張りすぎなのかな。


「俺、誰のチョコも受け取らないよ。蓮菜のだけが欲しい。全員の断ったから、蓮菜のちょうだい?」


「絶対ウソだもん」

「蓮菜は俺の彼女だろ? 彼女のしかいらねーよ」

その言葉に不意にどきっとして、蓮も私のことを彼女だって思ってくれてなにより嬉しかった。

「ウソっぽいもん」

だけど、私は意地を張ることしかできなくて……


「そう、蓮菜は俺の事疑うんだ? いーの? 疑って」


出た。あのニヤッと笑うなにかを企んでそうな顔。


「だ、だって、ウソじゃんか」


「ふーん。そっか。わかったよ」

そう言って、顔が近づいてくる。


え!?

今このタイミングでキス!?


ここで!?


私はぎゅっと目を瞑った。