「「できたー!」」
やっとの思いで、できたチョコレート。
1つ味見をしてみると
「ん〜。おいしー」
とろけるような甘いチョコレートだった。
これを箱の中に入れて、ピンクのリボンでラッピングした。
早く蓮に渡したいな。
受け取ってくれるかな?
そんな心配をしていたら奈々が
「大丈夫だよ。心配しなくても蓮菜は彼女でしょ?」
と、接して言った。
私そんなわかりやすい顔してたのかな。
「そうだよね」
大丈夫。
私は彼女なんだもん。
私は、友達の分も入れたけれど、蓮のチョコレートを多めに入れた。
それは、この学校に来てすぐの出来事を思い出したからだ。
キスされると思って目を瞑った写真を撮られてしまった時、私は“チョコレートあげるから”という単純な理由で許してもらえた。
でも、結局チョコレートなんて渡す機会はなく、今日はそのお詫びもということで多めにした。