その音で、みんながこっちに目線を送る。 そして、みんなが唖然とする。 もちろん、私も。 だって、その音を立てたのは、 左側の席に座っていた無口な ──れんたんくんからだったから……。 いつの間にか私の席の隣に立って、れんたんくんの教科書が私の机に投げ置かれていた。 みんなが唖然とする中、れんたんくんは足だけを進め始めた。