まさかとは思った。

後ろを見ると……


後ろにいたはずの悠真の姿はなかった。


ウソだと思いながら、ゆっくりと前を見た。


そこには、血だらけの……

「ゆう……ま?」


今にも消えてしまいそうな声で悠真の名前をそっと呼ぶ。


悠真に近づき、額に触れた。



まだ止まる気配のない血……。


なぁ……なに俺なんてかばっちゃってんの…


「……っれ…ん…はぁ…、だいじょ…か…」


悠真……?

なに俺の心配してんだよ。


そっと口を開けて必死に話そうとする悠真。


「はは…っ…ぶじ…よ…った…」


無事でよかった……?


お願いだ。

死なないでくれ。



「悠真……もう喋んなくていい。だから…頼むから…死ぬな…!」


「…たの…む……や…くな…‥…」


え……。

「悠真…? ……おい…悠真…」


悠真のうっすら開いた目も、口も、少し動いてた心臓も、全て……







動かなくなった……。