「俺は、別にあいつのこと好きじゃねーし」

その言葉を聞いたとき、胸がチクリと痛んだ。


そんなこと、分かっていたはずなのに…

またそれを、思い知らされる気分だ。


私はその場から、離れようとしたとき…



━━パタン


一歩後ろにさがると同時に、鞄に入っていた携帯が開いたところから落ちた。


2人も、えっ。という声を出していた。


私は急いで携帯を拾い、後ろを向いて無我夢中で走った。


気づいていませんように。

そう願っていた時だった。