「ここは、保健室……?」
「そうだよ。……波佐がここまで」
優くんが?
少し間を開けて言った奈々を不思議に思ったけれど、そこまで気にしないようにした。
「でも、波佐。少し用があって、蓮菜に謝っといてくれって……」
「そっか。後でお礼言わなきゃね」
「蓮菜ちゃん、もう今日は遅いから家まで送るよ」
「大丈夫。1人で帰れるから。こんな遅くまでごめんね」
意識を手放したせいで、辺りは暗くなっていった。
「こんなになってんのに、そんなこと言わないで。ね? 送ってくから」
そして私は柊くんの優しい言葉に応えた。