平静を装い席に戻ると
二人が心配そうに待っていた


「ごめんなさい コンタクトがずれちゃって…」


あまりにもベタな言い訳に情けなくなりながらも 何も聞かない二人に感謝した

3人で夕食をとった後 友人1人は先に帰宅した


杏子さんと私



同じタクシーに乗り込んだ


「綾乃さん?元気になれる場所に行きましょうか…」


そう言って運転手に告げた行き先は





……都内一の歓楽街……


えっ!………。


「大丈夫よ…皆な優しいわよ?」



そう言ってニッコリ微笑む彼女に
私は愕然としながらも 半ば諦めに近い心境で抵抗できるすべもなく“その場所”へ向かった…