「美里!」


後ろから声がして紙を咄嗟に隠した


「葵か…」


「何々ちょっと焦ってなかった? そういえばさっき水澤先生と話してたよね 何話してたのー?」


葵がニヤニヤしながら聞いてくる


いくら親友でも言えないよ


だってこれは…


「二人だけの秘密だからね」


先生の声がふと頭をよぎる


昨日耳元でそう囁かれた


「美里、なんか顔赤いよ?」


葵が私の顔を覗き込んでくる


「べ、別に とにかく何もないからね ほら次の授業科学室だよ」


私は話をそらした