「…っ、木ノ下!!」

そのままにしてしまったら百華が遠くなる気がして、俺はたまらず声を荒らげていた。



ハッとした感じで百華が意識をこの世界に戻す。


「…あ、あれ…ご、ごめ…っ、ぼーっとしてたや。早く済ませちゃお!!」



無理に笑顔を作る彼女。


今の今まで気づかなかったけれど、百華の笑顔はいつも寂しそうだった。