「なぁ雅?気分転換してみない?」



 なおが優しい声で言う。


 「外に出て他の奴らとつるむのも
 悪くないよ?」


 「なおの言う通りだ。
 ばったり会うのが嫌なら
 兄ちゃん送ってやっから。」




 あたしってホント情けない…

 こんなに心配かけて。

 このままじゃ何にも変わんない…




 「あたし、働く。」




 ゴメンねお兄ちゃん。
 ゴメンねなお。




 あたし、しっかりしなくちゃ。






 そうしてあたしは
 なおの居る店で働く事になった。




 その夜、あたしは親友の
 りえとさとみに電話した。




 今まで心配かけてゴメンって。
 あたし頑張るからって。


 りえもさとみも泣いて
 喜んでくれた。



 こんなあたしの為に
 涙まで流して応援してくれた。




 あたしは幸せ者だ。




 もうウジウジ悩んでなんて
 いられない―――。




 前を向かなきゃ…。