大体の人は寝ているだろう
 午前3時。



 あたしの携帯が鳴った。



 着信<なおゆき>




 「もしも-し」



 なおゆきはあたしの
 高校の先輩。
 そしてお兄ちゃんの
 親友でもある。



 「おはよぉ♪
  起きてたんだな!!」



 彼が「おはよう」を
 この時間に使うのは
 キャバクラの黒服と言う
 仕事のせいなんだろう。




 「どしたのこんな時間に。」



 そうだ。


 今は夜中の3時。


 普通の生活を送っている人なら
 迷惑極まりない時間だろう。




 「突然で悪いんだけどさ、
 お前夜やんねぇか?」




 ホントに突然だよ…



 「夜ってキャバ?
 あたし酒飲めないよ?」


 「だぁいじょうぶだから★
 どうせ家でゴロゴロしてんだろ?
 引き込もってないで
 働け若者よ!!」



 あたしだって好きで
 引き込もってるわけじゃない。



 ただ家から出て
 ばったり会うのが怖いだけ…




 「とりあえず明日家行くから!!」



 そして一方的に切られた。



 「こんな時間にまぢ迷惑…」




 この電話があたしのこの先を
 大きく変えて行くなんて


 この時は思ってもみなかった。