りんside/









夏乃「りん、涼太先輩いるよん」







昼食中、夏乃があたしに

言ってきた。















その言葉に吊られるようにして、

あたしは中庭に

目線を下げた。







女の子の人だかりに、

中心にいるのは

お兄ちゃんと、涼太先輩。















夏乃「モテモテっすね-」







隣で夏乃が羨ましそうに呟く。















すると同じ廊下にある

理科室に美流先輩と








美流先輩の友達たちが、

入っていくのが見えた。















夏乃「そういえば、美流先輩って

  相当ヤバいらしいよ」







夏乃が小声で言った。















りん「ヤバい?」


夏乃「そうそう。元彼も

  うっじゃうじゃいるらしいし―…」







何か良くない噂だってことは、

あたしにも理解できた。















夏乃「ちょっとさ、理科室覗いてみない?」


りん「は、ダメダメ。

  バレたら怒られるよ!」


夏乃「え-、面白くないな-」







そう言うと、夏乃は

持っていた小銭を

理科室の方へ投げた。















りん「あ」


夏乃「あ-りゃ、こりゃ

  取りに行くしかないね-ww」







ニヤニヤしながら

夏乃は理科室のドアに近づく。















夏乃「ほら! りんも来てみ!!」







あたしの腕は、

夏乃によって、

理科室のドアまで誘導された。