涼太side/









グラウンドから少し離れた

河川敷に顔を出すと、







そこには芝生に座り、

夕日に照らされた、一つの横顔。















涼太「迷子発見」







近寄ってそう言うと、

ヤツは濡らした顔を上げた。















まさか泣いてたなんて

思わないから、

俺は静かに横に腰を下ろした。







涼太「なんかあったのか?」















落ち着いた声でそう聞くと、

迷子は静かに返答した。







りん「何も!」















涼太「嘘つけ」







明らかに嘘ついてる顔。















涼太「何もねぇヤツが、

  勝手に居なくなって

  1人で泣いたりしねぇだろ」







少しきつめに言ってみた。















涼太「好きなヤツでもいるのか」


りん「えっ」


涼太「図星だな」







途端に真っ赤になった、

迷子の顔。















涼太「迷子さん、俺に

  恋の相談してみ」







普段はこんなこと、

めんどくさくて滅多に言わない。















自分でも驚いてる。







後輩の恋愛相談に、

のってるなんて。















人の恋愛事情に、

首突っ込んでるなんて。







俺は何故、

コイツの前だと

意味の解らない言動を起こすのか、















それは一番、







俺が解らない。