私はある学校の門の前に立っていた。 桜が咲き誇り、学生達の声で賑やかだ。 「はぁー、うるさっ」 今日は、学生達が待ちに待った西燐学園の入学式だ。 「やっぱり、高校なんて進学すべきじゃなかったかな…」 校門の前に突っ立っている少女が、消えそうな声で呟いた。 彼女は歩き始め、校門をくぐった。 足を進めて、彼女はクラスの貼り紙を見たあと 綺麗な黒髪ストレートを靡(なび)かせ、 校舎へと入って行った。