あたしは今どんな顔をしてるのかな?


きっと酷い顔。


震える手を抑え込むようにギュッと握る。


「…ごゆっくり」


絞り出すような声で言い、早歩きで2人から離れた。


“八尋はあたしのモノだから”


巳波はお姫様のもの?


…やっぱりお姫様は巳波のことが好きだったんだ。


あの隣にあたしも並びたかったのに。


ついてると思ったら全然今日はついてない。


巳波をお姫様に渡すのは嫌。


このままだまって見てるなんてものも駄目。


お願いです神様。


あたしに告白する勇気をください。


巳波に告白して、それで駄目だったら…駄目だったら、すぐには諦めきれないけど距離を置こう。


一緒に生活してきてまだ1ヶ月しか経ってないのに好きになった。


巳波を八尋と呼びたい。


あの腕に抱き締められたい。


時が経つに連れ、我儘になることはイケない?


もし、失敗したら気不味くなるのはわかってる。


だけど、このままだとあたしは後悔する。


伝えたい。


全部思ってること話したいんだ。