「あっれ〜?何考えてんの〜?」


「別に…今日のご飯何にしようか考えてただけ」


まだ、心には言い出す勇気が無くて、とっさに嘘をつく。


「あたしのことより、心はきーさんと調子はどうなの?」


あれから、無事に心はクローバーでバイトが出来ることになった。


受かったって電話で報告してきた心の声色はこの高校を受かった時と然程変わらないくらい嬉しそうで、思わず羨ましくて嫉妬してしまいそう。


あたしも巳波ともっと近付けたらいいのに。


なんて考えてるあたしは昔のあたしからは想像出来ないくらいに女の子らしくなったとあたしも感じてる。


「ふふ、きーさんとはね!LINE交換してもらったんだ」


本当に嬉しそうに目を細める心。


些細なことでも好きな人のことが知れただけで嬉しいんだ。


「良かったね。一歩前進、順調じゃん」


そう言って笑ってみせると心は目をテンにして


「柚鈴のことだから適当に受け流すのかと思ってた…」


なんて言って、抱きついてくる。


あたしだって変わったんだよ。


「…心が努力したことは知ってるから」


恋をして、それを叶える為に一生懸命になる気持ち、ようやくわかったから。