「退けよ」
「嫌だね。俺の妹をどうするつもりだ」
どうする?
「顔面をボコボコにする」
それくらいしないと気が済まない。
「あっそ、じゃあやっぱり譲れないな」
お姫様の兄はお姫様を下がらせて、戦闘体制に入る。
金髪が視界の中で揺れてうざったい。
「あんたとはやる気は無いんだけど」
「そう言いながらバッチリ体制とってるじゃないか」
「それはそこを退かないあんたが悪い」
拳が交じり合う。
面倒だ。
他の生徒になるべく見つからないように喧嘩をしなければならないなんて。
それにしても
「…弱い」
よく、お姫様を護るようなことするよな。
あっちは目元が腫れていて鳩尾にも何発か入れた。
拳をこっちに向けてくるが、もうフラフラで当たらない。
「邪魔」
退けよ。
「嫌、だ」
何なんだ。
正義のヒーローごっこか?
「この女が何をしたかわかってんの?」
「知ら、ない」
やっぱりな。
「この女は__」
「言わないで!!」
お姫様が涙をボロボロと流し言うが知ったことか。
自業自得。