―凜said―
はぁ...疲れた。
今日1日ぐったり疲れた。
今、あたしは未遥のうちにいる。
今日はお泊まりだ!!
お菓子パーティーだ!!やけぐいd...
『凜』
未遥の低い声が部屋に響く。
うん、わかってる。
あたしだってそんなウハウハしてるわけじゃない。
『八神龍樹の事だけど。』
『朝、道案内させられて。席、まさかの隣で...』
『うん、八神くんと仲良さそうにやってたね。』
仲良さそうにやってたのか...
未遥は怒ってるかな...?
『それはべつにいい事なんだけどね。ただ...あたしが心配してるのはさ』
未遥が遠慮がちにあたしを見た。
未遥のいいたいことはよくわかる。
つまり...
『八神くんと、夏樹を重ねてみちゃってないかな...って心配になった』
100%重ねてないとは言いきれない。
でも、違うってわかる。
けど、それゎ1日関わっただけの龍樹に対してじゃなくて、
ずっと一緒にいた夏樹を基準にしてるんだと思う。
夏樹とは、すごく似てる。
でも、違う。
『ん...ありがと、未遥。あたしは大丈夫だから...』
『大丈夫ならなんでそんな顔してんの!?』
未遥が大声を張り上げた。
『あたしがこんなに夏樹の事思い出すのに、凜が何も感じないわけ無いじゃん!!』
『ツ...』
未遥の言う通り。
本当は全部思い出してた。
声も 匂いも 笑顔も。
あの日の言葉も...
『この空の下、
どこにいたって、
俺は凜のこと想ってる』
あの時の夏樹の涙も、
最後の笑顔も。