―凜said―

河原の風景は、
昔と何一つ変わっていなかった。



『懐かしいなー....』
あたしは、土手の草の上に腰をおろして、
ミルクティーを空けた。



『ふぅー』
今日のミルクティーはやけに甘く感じた。






この河原は、
あたしと夏樹の特別な場所。
放課後は毎日来ていた。



懐かしい....



横を向いても夏樹は居ないけれど。




辺りはさっきよりも暗くなって、
滅多に人が通らないこの道では、
あたしがここにいるなんて誰も気づかないような気がした。



『やっぱり、一人で来るところじゃなかったかなぁ』
あたしはミルクティーを飲み干した。




キィ....
その瞬間、背後で自転車のブレーキの音が聞こえた。





振り返ってみると....









嘘....幻覚?
夢?あたしの妄想?









そこには....









『....り....ん?』









自転車にまたがる夏樹がいた。