―凜said―

嘘...だ...。






細くて長い手足。色白で綺麗な肌。
長いまつげに守られるような切れ長で、大きい瞳。たかい鼻に、薄い唇。







間違いなく...夏樹の顔だった。







『なつ...き...?』

そんなわけ...ないよ...ねぇ?
夏樹なハズないよね...?
でも、夏樹じゃないなら...誰なの?



『ぁ?なんつった』
この人...あたしにしゃべりかけてるの...?

『おい、シカトしてんじゃねぇぞ。名前は?』




『えっ、あっ!!』
やばい、ボーっとしちゃってた...!!
なんか、良く見たらこの人...怖いっ
髪こんな色だし、ピアスめっちゃ空いてるし...!!

『さ、更級 凜です...』
これは名乗らないわけにはいかないよね...





『?俺、お前のこと知らねぇけど?』

『あ...っと...その...』
どうしよ...夏樹なわけないのに...
泣きそう。

『ま、いーや。俺、八神龍樹。その制服さ、お前有栖川高校の生徒だろ?』

た、確かにそうだけど...。




八神...龍樹?
でも、この人はうちの高校の生徒じゃないよね...?





昨日の入学式にいたら、あたしは絶対気がついたから。
こんなに似ているんだもん...。





『俺昨日入学式出てねぇから、場所いまいちわかんないんだけど。』

ぇえ!?!?
入学式出てないんですか!?
場所わかんないだと!?
なめてんのかっ!!

『だからさ、案内してよ』





...は?
え...なんであたしが...
『んだよ。文句あんのか』
嫌...ないです...はい...。