―未遥said―

凜と龍樹くんが付き合ってるって聞いても、全然驚かなかった。

伶雄に、
龍樹くんが、凜を追いかけていったって聞いた時は、そろそろかーって思ったくらいだった。


自分じゃ気がつかなかったみたいだけど、
凜の目は龍樹くんばかり追っていた。

でも、たまに、
まだ夏樹のことで苦しんでるところも見えたりするから、
あえてあたしからは何も言わなかった。

だから、
凜が自分の気持ちに気がついて、
夏樹のことを思い出に、
龍樹くんへの気持ちを認めて素直になったってだけであたしは充分嬉しかった。


龍樹くんは、夏樹みたいに突然居なくなったりしないよね。
夏樹みたいに凜を泣かせないよね。
苦しませないよね。


でも...


龍樹くんは、夏樹みたいに...


凜だけを、大切にしてくれるかな?


夏樹みたいに...
凜の中を、龍樹くんでいっぱいにしてくれるかな?




大丈夫だよね、大丈夫。
信じなきゃ。
凜が惚れた男だもんね。



あたしは、凜と教室に戻った。
季節はもう夏になっていた。