―凜said―
嘘だろ...
悲しいくらい眠れない。
龍樹としゃべったりしてたうちは、
もう気にならなかったけど、
部屋の灯りが消えて、真っ暗になって、沈黙が訪れると...
途端にあたしは、
さっき冬月に襲われたことを思い出した。
今まであんな経験一度もなかった。
ナンパは何回かされたことはあったけど、
ナンパなんて可愛いもんじゃねぇか。
最悪だ...
気持ち悪い。
シャワーを浴びて綺麗にしたはずなのに、
考えただけで吐き気がする...
『ふっ...ッ...』
知らないうちに涙が溢れた。
自分で思っていた以上に、
あたしは相当恐怖を感じていたみたい。
龍樹は寝たかな...
起こさないようにしなきゃ...
そう思って、
深く布団をかぶろうとしたとき...
『まだ怖ぇんじゃんか』
そう言って龍樹はあたしの布団を掴んだ。
寝てなかったのかよ!?
『強がってんじゃねぇよ。だせぇ』
『強がってなんか...ひゃぁ!?』
龍樹はいきなりあたしの肩と膝に手を回して、軽々とあたしを持ち上げた。
『りゅ...!?』
これは、
世間でいう『お姫様だっこ』って奴じゃねぇか!?
すると龍樹は、
自分の寝ていたベッドに、
優しくあたしをおろした。
龍樹の体温がまだ残っていて、
ベッドは温かかった。
龍樹は、ベッドに腰をおろしてたばこに火をつけた。
『早く寝ろよ。俺が寝れねぇだろぅが』
龍樹はいつも、
嫌味と一緒に優しさを与えてくれる。
人のこと馬鹿にするけど、実は心配してくれていて。たぶんそういう人。
『龍樹...ありがとう。あたし、龍樹に出会え良かった。』
初めは、夏樹と重ねていた。
でも今は、
龍樹自身をみているんだとあたしは思う。
気づいたら、そんな素直な言葉が、
涙と一緒に溢れていた。
『ばぁか。気づくのおせぇんだよ』
龍樹はそう言って、
口の端を少しあげて笑って、
あたしにキスを落とした。
龍樹との初めてのキスは、
自分の涙と、たばこの味がした。
嘘だろ...
悲しいくらい眠れない。
龍樹としゃべったりしてたうちは、
もう気にならなかったけど、
部屋の灯りが消えて、真っ暗になって、沈黙が訪れると...
途端にあたしは、
さっき冬月に襲われたことを思い出した。
今まであんな経験一度もなかった。
ナンパは何回かされたことはあったけど、
ナンパなんて可愛いもんじゃねぇか。
最悪だ...
気持ち悪い。
シャワーを浴びて綺麗にしたはずなのに、
考えただけで吐き気がする...
『ふっ...ッ...』
知らないうちに涙が溢れた。
自分で思っていた以上に、
あたしは相当恐怖を感じていたみたい。
龍樹は寝たかな...
起こさないようにしなきゃ...
そう思って、
深く布団をかぶろうとしたとき...
『まだ怖ぇんじゃんか』
そう言って龍樹はあたしの布団を掴んだ。
寝てなかったのかよ!?
『強がってんじゃねぇよ。だせぇ』
『強がってなんか...ひゃぁ!?』
龍樹はいきなりあたしの肩と膝に手を回して、軽々とあたしを持ち上げた。
『りゅ...!?』
これは、
世間でいう『お姫様だっこ』って奴じゃねぇか!?
すると龍樹は、
自分の寝ていたベッドに、
優しくあたしをおろした。
龍樹の体温がまだ残っていて、
ベッドは温かかった。
龍樹は、ベッドに腰をおろしてたばこに火をつけた。
『早く寝ろよ。俺が寝れねぇだろぅが』
龍樹はいつも、
嫌味と一緒に優しさを与えてくれる。
人のこと馬鹿にするけど、実は心配してくれていて。たぶんそういう人。
『龍樹...ありがとう。あたし、龍樹に出会え良かった。』
初めは、夏樹と重ねていた。
でも今は、
龍樹自身をみているんだとあたしは思う。
気づいたら、そんな素直な言葉が、
涙と一緒に溢れていた。
『ばぁか。気づくのおせぇんだよ』
龍樹はそう言って、
口の端を少しあげて笑って、
あたしにキスを落とした。
龍樹との初めてのキスは、
自分の涙と、たばこの味がした。