「茜ー!早く降りてきなさーい!」

「はーい」

私の名前は中乃井茜。
花之木高校に通う2年生。


「まったくもうー。何でこう同じ双子で違うのかしら」

「お母さん、そんなこと言っちゃダメだよ。茜だって頑張ってるんだから」


この子は双子の姉の明。

「まぁ明がそういうなら」

お母さんは成績優秀で美人な明に甘くて、いつもほめてばかり。


怒ったらことはほとんどない。



「茜、早く食べて用意しなさい。明はもう準備出来てるわよ」

「うん」

明とは違って出来損ないの私はお母さんにいつも怒られてばかり。明といつも比べられて、自分のできなささを思い知らされる。



「お母さん。今日は早いからもう行くね」

「あら、朝練?行ってらっしゃい!」

成績優秀なだけでなく運動神経も抜群の明。
エースらしくまわりの期待も大きい。


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

明が出て20分後。

私も家を出た。