晴輝side




「晴輝 また背、伸びた?」




雪は俺の顔を上目ずかいで見てきた。


ああもお、なんだよ。


見るたびに キレイになってく。



俺、今顔赤くないかな、大丈夫かな。




「ん?雪ちっちゃくなった?笑」



俺は誤魔化すように言った。




「もう。笑笑」




そのムッとして頬を膨らませるのも小学校
の頃から変わってないよな。





やっぱり俺、雪が好きだ。




ずっと一緒にいたいんだ。





だから…





「雪?明日の試合勝ったらさ…」





「ゆーきー!」




また健汰だ。






「雪!この前のさ!数学のノートありがと♪」




健汰は満面の笑みで言った。




「あ、全然大丈夫だよ!まだ持っててよかったのにっ」



雪と健汰こんなに仲良くなってたんだ。




「いやいや、悪いからさ。雪ってさほんと字がキレイだよね。うらやましいよ!」



俺はどうしてもこいつだけは好きになれない。


「ありがと~」




どうして…雪は健汰と話してるときこんなに笑顔なの。



俺といるより楽しいのかな。


この人が雪に話しかける度に、自分に自信がなくなる。



「あ、晴輝?さっきの話の続きって?」



今 言える訳ないだろ。



『付き合って』



なんて言葉。



「なんでもない……じゃあ、俺先行くわ」




俺は強がって雪から離れた。




「あ!晴輝待って!私もいくっ!」




雪の言葉を無視して教室まで向かってしまった。