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キーンコーン カーンコーン
また、いつもの授業が始まった。
「雪?」
私が一番落ち着く声が聞こえてきた。
「なぁに?はるきー」
晴輝は私の席の前。
私の席は窓際の1番うしろ。
私の大好きな青空が見える。
「あ...あのさ!」
「ん?」
「今週の土曜日ここで、サッカーの試合があるからさぁ…応援しにきてほしい...な?」
晴樹は照れ臭そうに髪の毛を触りながら言った。
「もちろんだよ!美果と一緒に行くね。
優斗にも言っといて」
「わかった。ありがとね!」
可愛い笑顔で笑った。
あれ?こんな顔してたんだ。
いつも一緒にいるはずなのに全然気づかなかった。
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「ゆーきっ帰ろ」
美果が走ってきた。
そのとき、他の人の声も聞こえてきた。
「ねぇねぇ。雪。あのさ、数学のノート貸してもらえない?」
健汰だった。健汰は学年でも1番か2番を争うほどのイケメン。
「いいよー。はいどーぞ」
私は慣れた手つきでカバンからノートをだした。
「ありがと!雪の字、キレイで読みやすいからなぁ」
ニッと笑ってそれから じゃあまたねーって言い去っていった。
「雪ー?やっぱり健汰、雪に気があるんだよ。だって毎日メール来るんでしょ?」
美果は、ちょっかいなのか…
余計なことを口にだす。
まあ、毎日メールくるけど…。
そんなわけないじゃん!
「ただの友達のメールのやり取りでしょ」
全くもう。
今まで恋愛をして来なかった私には相手の気持ちなんて分からないよ。