「よし、歌うぞー!」

カラオケに行くと弘生さんは曲を次から次へと入れだした。

秋仁さんはそんな様子に慣れているようで、何食わぬ顔で注いできたジュースを飲んでいる。

「やっぱビックリするよなー。
俺も最初はビックリしたもん。」

弘生さんは大のカラオケ好きで、少しでもカラオケに行けない時期が続くと20曲くらいを歌い続けないと止まらないそうだ。


「相談があると言われて来たんですけど…。」

相談があると言われてきたのに、そんなこと忘れてしまっているかのように歌う弘生さん。


「あと、1時間くらい待ったらとまるさ。
たぶん、そっから話すんじゃない?
あー、あと、歌いたい曲入れないと歌えないぞ。」

「今入れて大丈夫なんでしょうか…?」


今入れたら弘生さんを怒らせてしまうのではないかという勢いだ。
せっかくカラオケに来たから歌いたいけど…。


でも、歌い始めた弘生さんは想像以上にかっくよくて、見惚れてしまう。

「あいつ、何やってもかっこいいよなー。
羨ましいぜ。」

秋仁さんがそういっているのも頷ける。