「お待たせしました!」
片付けが終わり部室に行くと弘生さんと秋仁さんしか残っていなかった。
「おう。じゃ、行くか!」
「今日は皆さん帰りが早いですね。
何かあるんですか?」
いつもは部活後ダラダラと部室に残っている人が多いのに今日は誰もいない。
「あー、帰らせた。」
そう言う弘生さんを見て、秋仁さんがクスクス笑っている。
「こいつ、ウケるんだよ。
自分が早くカラオケに行きたくてしょうがないからさ、
今日みんな鍵持ってないってわかって追い払ったんだよ。」
「るせー。
歌いたい気分なんだよ、今日は!」
弘生さんの顔は真っ赤になっている。
そんな様子を見て秋仁さんは笑いが止まらないようだ。
「ったく、いつまで笑ってんだよ、あき!
行くぞっ!」
そう言い少し乱雑に部室を出ていく弘生さんを見て秋仁さんはまた笑いが込み上げているようだったが、行こっか、と言い私と部室を出た。