「マネージャー、このあと暇?」


ボトルを入れ終わった後、そう言いながらこちらに来たのは弘生さん。

「暇、ですけど…。」


部活後の予定を聞かれたのははじめてなので戸惑いながら答える。
サボり気味になっている業務のことでお叱りかな…?
なんて思いながら、弘生さんの言葉を待つ。


「じゃあさ、カラオケでも行かない?」


まさかのカラオケのお誘い。
説教をするのにはあまりふさわしくないような気がするが、周りのことを気にしなくて良い場所であることは確かだ。


「カラオケですか?」

「そ、カラオケ。
久々に歌いたい気分でさー。
暇なやつ探してんの。」

そう言い、ダメ?と首を傾げる弘生さん。
そのしぐさもだけど、カラオケで歌っている弘生さんを想像してみると、悶絶ものだ。






「いいですよ。
理沙も誘いますか?」

「いや、木野さんだけでいいよ。
あー、秋仁も誘うから。」