あー‥
何口走っちゃいそうになってんだか。
調子狂う。
「あ、ねぇ…」
その声にふと顔を上げれば、雪乃の指は俺のずっと後ろの方を差していた。
その先を目で追うと
『あ?…誰?』
見れば、俺のバイクを見定めるような不審な動きをしている女が一人。
『泥棒?』
「こんな昼間から?しかもバイクをー?」
『んじゃ、ストーカー?』
「ははっ」
いや、笑い事じゃねぇし‥
『ちょい待ってて』
すっと立ち上がれば、ガシッと腕を掴まれた。
『うぉっ』
そのまま全体重をかけられたために、ガクンと再び座らされた。
『…お前な‥』
「相手は女の子だよ!」