「冬は寂しい感じがするから嫌い」
『クリスマス一人だから?』
「‥違いますー」
『ふ』
俺も、クリスマスを彼女と過ごした事はないけど。
「湊は一人で過ごした事なんかないでしょ」
『毎年一人』
「うっそ、でもモテるでしょ?」
『モテる』
そう断言すれば雪乃は「普通自分で言うー?」と、ケラケラ笑っていた。
そして静かになったと思えば
「だからさ、この名前も好きじゃないんだよね」
切なげに呟いた。
『‥うそ、俺―…』
俺は結構好きなのに。
危うく、反射的にそう言おうとしたけど、寸前で飲み込んだ。
「え、なに?」
『別に』