夏の訪れを告げるこんな暑い日にも、世の中は当たり前に動いている。
「慶ー、おせーぞー」
「ねーっ、慶士ー!バレーしよーよー」
大学生になって初めての夏は
早くもバテ気味。
車での通学が許可されている大学を選べば良かったとさえ思うほど。
自分が暑さに弱いのか、あいつらが強いのか。
『また今度なー』
キャンパスの中心に位置する芝生で、朝から楽しそうにバレーをしている奴らに軽く手を振った。
元気だな、と
本気で関心してしまう。
バレーをしている四人はみんな大学で知り合った。
俺には近寄りがたいオーラが出ている、と
何故か説教された初対面。
中学や高校の友達とは違うタイプで、まあ新鮮ではある。
そしてブーブーと文句らしい言葉を背中に受けながら、教室に向かった。