だけど今度は海梨も怒ったりしなくて、やっぱりただ驚いているようで。
初めてのキスでも何でもないけど、久しぶりな気がした。
『信じろよ』
「‥へ、…うん」
『ふ‥、素直じゃん』
あんまり聞こえてないんだろうな、とは思ったけど。
伝わるはずだ。
『今、おまえと一緒にいれて、幸せなんだけど』
俺はきっと、付き合う前から海梨にハマってたよ。
中学、高校、と
海梨と話す男にどんだけ嫉妬したことか。
『今、どうしようもなくおまえにハマってんだけど』
こうして、学校が離れてしまった今でも
変わる事なんて何もないから。
だから信じろよ。
