今まで言いたくて言いたくて仕方なかったのか、散々溜め込んでいたのか。
腕の中でしゃくり上げる海梨に、どうしようもなく胸が痛んだ。
気付けなかった自分の不甲斐なさにも。
一緒にいることで…
安心していたのは俺だけだった。
『‥んな、寂しい事言うなよ…』
もうずっと‥
海梨しか見えてないってのに…
モテたって、呼び捨てにされたって
こんなに夢中で恋してんのに、おまえに。
『海梨‥』
長くいればいる程
複雑なのかもな。
気持ちを伝えるようにグッと腕に力を入れれば、海梨は少し俺の胸を押した。
そして顔を上げる。
