魁斗は急いで仕事に、真一が上手く誤魔化してくれた、お陰で怒られるずに済んだ。

「いやー、ありがとう真一助かったよ」

魁斗は真一の近くに行き両手を合わせ真一に頭を下げた。

「どうしたのですか?佐々木さんが遅刻するなんて、珍しいですよ」

真一、困惑した表情で答えた。

「色々あってな疲れて、寝過ごしたとよ」

魁斗は美月のことを、話そう思ったが自分でも、混乱してるのに真一まで巻き込むまいと隠した。

「あっ、どうでしたか?昨日、僕が紹介したお店に行って、買いました?」

真一は、真面目な顔に戻った。

「ああ、行ったよ。それにしても、変な店だよ」

魁斗は変な機械があったことや店内の奥に行って、お試しのことなどを真一に話した。

「やはり、変な店でしたね。確か店員さんは藍賀さんでしょう?」

真一は目を閉じ頷いた。

「真一は、藍賀さんのことを知ってるのか?」

魁斗は真面目な顔で真一に訊いた。

「いえ、僕も最近知ったばかりですから…あまりわからないですよ。ところで昨日、話の途中でしたが、幽霊話ですよ。最近、僕に向かって言ってるのか、わからないですが、幻聴があるのですよ」

真一は、苦笑し、真顔で魁斗に言ってきた。

「誰か私を出して、なんてね」

魁斗は真一にカマをかけ笑って誤魔化した。

「なっ、何で知ってるのですか?」

真一は、真っ青な表情で魁斗を見つめた。

「真一、解決したいか?しかし、解決には、相当な覚悟がいるぞ」

魁斗は大変な出来事をしてるのに妙に落ち着いてる自分に可笑しく思えた。

「相当な覚悟って何ですか?もったいぶらずに教えて下さいよ」

真一は、ふて腐れて、そっぽを向いた。

「俺が、教えるより自分で確かめるとが、よかな。なーに、簡単なことだよ。Smartellのアプリが、あるだろう、アレを起動させると真一の悩みは、無くなるよ。まぁー最も、別の悩みが増えるけど…但し起動すなら家に帰ってすることだ」

魁斗は、イタズラ心で、あえて全部は話ずヒントだけ話した。真一の驚く顔が頭に浮んで本人の前では必死に笑いを堪えていた。

「ありがとうございます。はぁー幻聴から解放されるから助かりました」

真一は相当に悩んでただろう顔色が良くなっていた。

「魁斗様、面白がって意地悪ですね。会話文は全部聞かせて貰いましたわよ」

突然、Smartellから声が聞こえた。聞き覚えのある声だった。美月だ。

「なっ…なんだ美月、お前、俺の部屋にいたのじゃないのか?」

魁斗は驚きのあまり動揺していた。

「あら…私の本体はSmartellですから体は魁斗様の部屋でもSmartellとリンク出来ますから、会話だって出来ちゃうのですよ」

美月は冷静な声で魁斗に話した。

「まぁーいずれ俺と同じように経験するからな…後は真一本人がなんとか、するだろう。それより美月、アプリに帰れるようになったのか?」

「それが、まだ方法が見つからないです」

「焦っても、しかたないか。美月、仕事帰りに俺は原因を調べに藍賀さんのところに寄って帰るけんね」

「わかりました。魁斗様」

魁斗は驚くことばかり起こって、遺骸に冷静でいられる自分に、あきれて苦笑した。
藍賀に会い美月の解決出来ると期待を胸に思いながら、仕事に戻った。

夕方、今日は遅刻しながらも無事に業務をこなした。真一は一刻も悩みを解決したいのだろう。魁斗に挨拶も、そこそこに急いで帰り去った。魁斗も、すぐにバイクで藍賀の店に向かった。