夏も終わり秋の紅葉が色付き始める…何事もなく、一日が始まり…平穏無事に終わる…退屈な日常………でも…まさか…あんなことが起ころうとは夢にも思ってもみなかった。

「んっ…ふぁ~もう朝か…今日も、仕事をがんばるばい」

携帯電話の目覚ましで起きた、佐々木 魁斗は眠い目を擦りながら、洗面台の代わりとなってる台所の流し台へ向かった。ふと居間に置いてある携帯電話に視線を向けた。今の時代スマートフォンが普及するなか魁斗はいまだに、古い携帯電話(ガラケー)を使っていた

「このガラケーも随分と使ってきたかな…いっちょ思い切ってに変えるか。 これには色々な思い出が…あったからね良いこともあれば悪いもあったかな 」

魁斗は顔を洗い終えると、携帯電話取りしみじみと見つめた。

「少し早いが仕事に向かうか」

魁斗は仕事向かう支度を整え部屋を後にした。

仕事に向かう時は、いつもバイクを使ってる。都市郊外になれば利用者が少なく以前、走っていた路線バスも廃線となり交通便も悪くなってる。車やバイクがないと何処へでも行けない。そんな街に俺は暮らしてる。都会の煩い騒音や雑音ストレスの溜まる環境で暮らすよりか静かな街が俺は好きだ。

「んっ…なんだあれは?」

魁斗は歩道を歩いてるスーツにテンガローハットの男が気になり視線を向けた。

「スーツにテンガローハットは合わねーだろう」

魁斗は笑い…バイクで…すれ違おうとすると男が急に道路に飛び出してきた。

「なんだ、いきなり…しかれてぇーのか?」

魁斗は怒鳴りながら、とっさに慌てて歩道から飛び出した男を交わしバイクを停止させた。

「すっ…すいません。道に迷ってしまい困ってたとこなんです」

男は申し訳なさそうに頭を下げた。

「道に迷うって…迷いようが、なかろうもん?こっちはアパートと数件の一軒家だけしかなかよ」

魁斗は低姿勢で謝る男に怒る気も失せて自分のアパートの方を指を指した。

「あっ…そうでしたか…ありがとうございます」

男は深々と頭をさげ、その場を去り魁斗のアパートに向かっていった。

「今日は厄日だな人を引こうとするわ…散々だな」

魁斗は暫く男が向かった方を眺めて仕事現場へバイクを走らせ向かった。