「でも、今回はそんな事よりも注目を浴びている人物がいるみたいだけどね」

「え?」

「先生も、かなり驚いていたみたいだよ。なんだか、俺は納得できないけどね」




一ノ瀬くんはそういうと去って行ってしまった。
直前に、葵くんをちらりと横目に見て…。




「…注目って」




私は、順位表を確認していく。
すると、一ノ瀬くんが言っていた意味がすぐに分かった。


「葵くん!」

「あ?なんだ?」

「きて!」




私は葵くんを手招きをしながらもう片方の手でその場所を指す。





「ほら、これ!藤堂葵90番!すごいよ!最下位から一気に30人抜きだよ!」

「マジ?」



私の言葉にようやく覗き込み確認する葵くん。
やったよ!葵くん!
頑張った成果が出た!
すごいよ!