そして、そんなテストは無事に終わり、テスト発表の時。
「緊張するね」
「あー、まぁ、なるようになってるだろ」
葵くんよりも私の方がドキドキしてる。
結果が張り出されている廊下についた私と葵くんは、掲示されている順位表を見上げた。
「お、相変わらずの一位」
「え?あ、もう…私の事はいいんだってば」
「ん?ああ…、あ、あのいけすかん転校生二位だとよ」
「え、一ノ瀬くん?あ、ほんとだ」
一ノ瀬くんは、勉強もできるらしい。
あれで、性格がもう少し良ければモテるだろうな。
一ノ瀬くんは、ファンは多いんだけど、あの毒舌に夢を壊されたと離れるファンも多い。
なんだか、損していると思う。
「悔しいな、早瀬さんに負けるなんて」
「あ、一ノ瀬くん。でも、一ノ瀬くんだって二位じゃない。すごいよ」
「一位の人にすごいと言われても、慰めにしか聞こえないけどね」
「…ご、ごめん」
だからそういう所だよ、と一ノ瀬くんを見る。