テストまであと三日。
なんとか、全教科の範囲は葵くんに教えた。
葵くんの飲み込みの速さによって実現したんだ。
後は、暗記することと、練習問題をひたすらに説くだけ。
気合が入って初めてのテスト。
最初からいい点なんて期待してない。
でも、脱最下位。
それだけは。
「最下位藤堂葵が見れなくなる日が来るかもしれねぇのか?」
「もしかしたら、最下位池田洸が見れるかもな」
洸くんの言葉に、葵くんがそう答える。
それを聞いた洸くんの引きつらせた顔を葵くんは嬉しそうに笑ってみてた。
「ぜってぇに、そんなことにはならねぇからな!」
「どうかな」
「見てろよ、葵!俺だってな、やる時はやるんだかんな!」
洸くんにもなんだかスイッチが入ったみたい。
とにもかくにもあと三日、洸くんはどれだけ頑張れるかな?
「ちょこちゃん…信じてねぇだろ」
「え?」
「絶対に、最下位になんかならねぇからな!」
洸くんが高らかに宣言した。